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僕にしか見えないものがあった。 君にしか感じないものがあった。

No.4

   

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4 片耳の猫

やけに明るく感じた。そして世界が別物に感じた。
なんとなくいつもと違う空気を感じながら、いつもと同じように家を出る。

変な夢だったな。

それでも…
何も変わらない一日が始まるんだと思っていた。

玄関から一歩外に出ると、刺すような寒さが襲った。そういえば、今日からは関東も気温が下がると、見ないTVが言っていた気がする。
寒さから逃げるように、いつもより早歩きで駅に向かった。
駅につき、120円の切符を買うと、誰も居ない改札を通った。あと10分は電車は来ない。乗換駅まではここから5分。そこからはまたいつもの満員電車だ。
ため息をつき、地元の小学生が作った座布団が敷いてあるベンチに歩みを進める。

ん?先客か。

あまり利用者の居ないローカル線だが、いつからか住み着いていたらしい片耳のない猫が座布団の上で線路を眺めていた。

おめーも寒いワケだ。

僕は一つ間を空けて腰を下ろした。

お前もどっか行くんか?
なわきゃねーな…

声には出さず、久しぶりに建前なしに話し掛けた。すると驚いたことに、猫はいきなり顔をこちらに向け、目を細めた。
その目はまっすぐに僕の目をとらえていた。

第六感ってヤツか。

動物のそれは鋭い。本来なら人間にもあるはずなのに、それと確信できることなんてまずない。知能を育てて感じることを捨てたから。まあ、どっちがいいとか言えねぇけど。
いろいろと考えていると、目の前に電車が来ていた。慌てて立ち上がり、ドアの前に駆け寄る。

妙だ…。

いくらローカル線でも、この時間は少なからず仕事に向かう人たちがいるはずだ。なのに…


誰も居ない…。

そして僕も…。


意識があったのはここまでだった…。

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3 暗闇の誘い

水の音が聞こえた。
蛇口から水面に堕ちるような。一滴一滴ゆっくりと、そして規則正しく。
一滴が水面に落ちる度、頭の中にその音が無限に響いた。
その音に意識を向けていると、なんだか凄く落ち着いた。
どんどんと、その音だけが大きくなっていた。

しばらくして、暗い暗い視界の前に真っ黒な池が現われた。
その中心から波紋が広がり、小さな波がどこまでも流れていった。

夢?
現実じゃないのか?

すぐにわかったけど、それをすぐに否定する。

現実って?
夢って?

それって誰が決めたの?

それが常識?

いや、違う。
少なくとも僕にとっては。目に映るもの、手に触れるもの、聞こえる音、頭の中に映るもの、夢、想像、空想…
発生する場所の違いだけであって、それら全てが僕にとっての現実だから。
全て現実だ…。

そう思った瞬間、規則正しかった波紋が少し乱れた。
ほんの少し。

何かいる。

そう直感した。
なんとなく寒気がした。
得体の知れない物に対するような興奮と恐怖が少しずつ芽生えた。逃げ出したい…
だけどこの先を見たい…

得体の知れない?
自分の中のことなのに?

なんか可笑しかった。
自分自身の現実が、自分の理解の外にある。
全て知っているようでいて実は何も知らない。

ここは本当に自分の現実なんだろうか。
さっきは現実と認めたはずの光景が、あっと言う間に信じれなくなる。



そして次の瞬間…

目覚ましに叩き起こされた…。

もう外はすっかり明るくなっていた。

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2 いつもの朝

朝が来た。いつも通りの。
目覚ましの音が鳴る前に目が覚めるが、布団からは抜け出せない。寒いし、一日が始まってしまう気がするから。どうせならこのまま何も始まらず、止まったままの時間の中で自由に生きたい。ってただルーズなだけか…?そんなことを思いながら微睡んでいると、目覚ましの音が6帖の部屋に響き渡る。
だるい…。
それでも無理矢理布団から出ると、シャワーを浴びスーツに着替え、僕は家をでた。
今日も始まってしまった。
そうやって生きてきた。
少なくともここ数年は。

社会生活には向いてないな、俺…

満員電車に揺られていつも通りに仕事に向かう。
どこでどう間違ったのか今では世界がまるで別物に感じる。

何と比べて?
いつと比べて?

よくわかんないけど…。

特別金持ちじゃないが、恵まれた家庭に生まれた僕は物理的には何の不自由もなく育った。
普通に学校に通い、普通に勉強して、友達と遊び、笑い、泣き、喜び、悲しみ、怒り…。
両親とよくできた姉。
外から見ても中から見ても、ごく普通の仲のいい家族。
成績もまあまあ。活発で積極的。高校生の時には部活で主将もやっていた。家族想いのやさしい性格。いつの間にか、優等生的なレッテルを貼られるようになった。




それが嫌だった。





小さい時から、自分の中のそんな二面性に気付いていたのかもしれない。
終末論とか、人間が抵抗出来ないような絶望的な状況を想像するのが好きだった。かといって、誰かを傷つけたりするのは凄く嫌だったけど。
破滅願望があった。そして、根拠はないけど、そんな中でも俺は最後まで生き残るんだろうなと確信していた。

そういう所がガキっぽかった気がする。

段々と都会じみてきた窓の外を見ながらいろいろと考えを巡らしていると、駅に到着した。

いや、ガキっぽかったのではない。ガキっぽいんだろう。
それは今でも感じるわ。あの時よりリアルに。
おまけに今は、全て無かったことになりたいという思いが強くなっているから質が悪い。

会社に着くと、いつも通りに挨拶をしていつも通りに仕事を始める。
同世代は多いけど、深く付き合う気にもならない退屈な職場。

なにやってんだろ。

仕事中は何度も頭に浮かんでくる。
そんな人達に作り笑いして、矛盾だらけの上司達のイェスマンになって、我儘放題の客に頭下げて…。
それが社会人といえば確かにそうだけど、それが当然みたいな、出来上がった、そしてねじ曲がったルールが大嫌いだ。
ストレスとはまたちょっと違うイライラが積み上がっていっていた。

上司に呼ばれ、仕事を頼まれる。

てめぇでやれよ

心では思っていても、口では『かしこまりました』。もう何回、他人のケツ拭きしてるのだろう…。
でもそれがサラリーマンだろう…

そんなやり取りを繰り返して、12時間の拘束からようやく解放される。

帰りの電車、朝と同じやり取りを頭の中で繰り返す。
ただ一つ、電車を降りた後の、夜の冷たい空気と暗闇が僕の中のリアルを感じさせてくれた。

もうすっかり心は闇に落ちていた。

部屋に戻り、着替えると貰い物のソファに腰を沈める。

タバコに火をつけると、見ないテレビと利きの悪いエアコンのスイッチを入れた。
そして…
疲れとだるさからそのまま眠りに堕ちた。

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1 不安定の始まり

これは誰かに読んでもらう為じゃなく、自分が書きたいから思うまま書いた凄く自己中な物語です。
心の内とも言えるし、全くのフィクションとも言えるし。ひどく弱々しくもあり、それが強い思いであったりする。どっち付かずだからつかめなくもあり、グレーな位置だから人間らしくもあり、既成の世界にはひどく馴染みにくかったりする。

淡泊に進む…
そらそうだ。これは僕の、僕の為のニッキであり、想いであり、物語だから。

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プロフィール

HN:
koji
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1984/02/06
職業:
職業シバり嫌いです。・・・リーマンです・・。
趣味:
イロイロ
自己紹介:
ハジメマシテこんにちワこんばんワ。
気が向いたら描いたり書いたりしてます。
構成考えて書いてるワケじゃないのですんません。
気に入ってもらえたら、拍手頂ければ幸いです。
乗せられ易いので、きっと次の話が少し早めに出来ると思います。

ではでは。

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